花火大会はなぜ夏に多いの?その歴史や理由をざっくり紐解く
花火系散歩屋のおーわ(@mof_mof08)です。
日本国内では一年を通じてたくさんの花火大会が開催されますが、その多くは夏(特に7月中旬〜8月中旬)に集中する傾向にあります。
ゆえに「夏の風物詩」として親しまれる花火大会ですが、そもそもなぜ夏に開催されることが多いの?という疑問を抱いている方が全世界に3人ぐらいはいらっしゃるんじゃないかなと思います。
本記事ではなぜ花火大会は夏に多く開催されるのかについて、歴史的な背景を踏まえながら紐解いていきたいと思います。
日本初の花火大会は慰霊・鎮魂が目的だった
花火大会が夏に多い理由を紐解いていくにあたり、そもそも日本初の花火大会がどのような経緯で開催されたのかについてざっくりと紹介してまいります。
日本国内における最初の花火大会は1733年5月28日(旧暦)に開催された両国の川開き(現在の隅田川花火大会の前身)にまで遡ります。
前年に西日本一帯でイナゴの大群が発生するなどで全国的な凶作に陥り大飢饉(享保の大飢饉)が起こったのに加え、疫病の流行によっても多くの死者が出ました。
その犠牲者に対する慰霊と悪疫退散を祈って隅田川で「水神祭」が開催され、その際に花火の打ち上げが行われました。
とどのつまり、日本国内で花火大会が始まったきっかけは慰霊・鎮魂だったのです。
上記のような歴史的経緯から、5月28日は「花火の日」となっています。(この他、8月1日と8月7日も「花火の日」として制定されています)
>> 「花火の日」っていつ?実は年に3日もあるってホント?!
なお、旧暦の1733年5月28日はグレゴリオ暦(いわゆる現行の新暦)に換算すると1733年7月9日にあたります。
花火大会が夏に多いのはお盆と深い関係がある
前置きが長くなってしまいましたが、花火大会が夏に多い理由としてお盆との関係が挙げられます。
お盆は夏季に行われる祖先の霊を祀る日本古来の祖霊信仰と仏教が融合した行事で、ご先祖様を迎えたり送り出したりする際の目印として迎え火、送り火、盆提灯といった灯火(明かり)が施されます。
その灯火の一環として花火を打ち上げるケースがあります。
>> 花火とお盆のステキな関係|福聚山 本経寺|日蓮宗 寺院ページ
ちなみにお盆は地域によって時期が異なり、ざっくり以下の通りとなります。
- 7月13日〜16日(新盆、東京都市部など一部地域)
- 8月13日〜16日(旧盆、大半の地域)
- 旧暦7月13日〜16日(沖縄県、鹿児島県奄美地方)
現代の花火大会において慰霊・鎮魂の要素はだいぶ薄れている感がありますが、全国的に開催時期が7月中旬〜8月中旬に集中しているのは、お盆との関係が今でも根強くあるがゆえかと思われます。
熊野大花火大会のように、現代においてもお盆の時期に慰霊・鎮魂を目的とした花火の打ち上げを継続しているところもあります。
まとめ
本記事では花火大会はなぜ夏に多いのかという点について、歴史的な背景を踏まえながら紐解いてまいりました。
花火大会が日本で最初に開催されたのは慰霊・鎮魂が目的だったこと、お盆における灯火(明かり)として花火を用いるようになった経緯から、現在においても夏に開催されることが多いのかなと思われます。
花火大会と聞くと「夏の風物詩」というイメージが非常に強いですが、実は夏に開催されているのには深い理由があるんだなということを頭の片隅に置いといていただければ幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございますm(__)m